HOME    Wunderkammer Top


 ― What's The Wunderkammer ? ―

ヴンダーカンマー(WunderKammer)とは


 

のようなサイトを覗いてしまうタイプの方というのは、おそらく詳細は知らずとも、ヴンダーカンマーという単語だけは聞いたことがあるのではないでしょうか。ええ、勝手な推測です。

ドイツ語でWunder(不思議・驚異)Kammer(部屋)と書き、15世紀のヨーロッパに発祥した「珍品蒐集室」、いわゆる現代における「博物館」や「美術館」のハシリ的存在のものです。

 

 
  wunderkammer1  
 

の画像が、おそらくヴンダーカンマーで最も有名な画像ではないかと思います。国内外問わず、関連サイトで必ずと言っていいほど使用されているものだから間違いないでしょう。ええ、勝手な推測です。

画像はヴンダーカンマー全盛期のものですが、ご覧の通り、ごっちゃごちゃです。亀の甲羅、小動物や魚類の剥製、鹿等の角、人形(オートマタ)、貝殻等が目に付きますが、展示には脈絡がなく、まさになんでもあり、という状況です。

実は、この「なんでもあり」というのが初期〜最盛期のヴンダーカンマーの特徴であり、また最大の魅力であるのです。

 

 
  wunderkammer2  
 

もそものヴンダーカンマーは、現在の博物館のように不特定多数の人間に見せる目的で作られたものではありませんでした。

当時の王侯貴族や権力者が自分の趣味で集めた物を、ごく限られた一部の客に見せるだけのもので、学識を深める等といった高尚な目的はなく、権力・財力の誇示、つまりはただただ自慢したかった、或いは客を単純に驚かせたかった、そういった目的の為に作られたものなのです。

15世紀というと、まだ色ガラス製品が大変貴重な時代でしたが、惜しげもなくその色ガラスを使って職人に作らせた物が、宴会の余興で使用するただのドッキリグッズであったりと、現代ならば技術の浪費・無駄遣いと非難されてもおかしくないことを、有り余る権力と富の顕示に使用していたのです。

 

 
  wunderkammer3  
 

代ならば非難される、と書きましたが、実はそこが大切です。遊び、余興に対するおおらかさというのが現代には足りないのかもしれません。遊ぶ事に全力を傾けると、「大人げない」などと非難されかねない時代ですよね。また、何をするにも「実用性」が求められ、ただの余興のような事には「無意味な事に時間を費やすな」と怒られてしまいます。

人魚や河童のミイラなんて、現代では見向きもされません。もちろん本物だなんて言ってません。しかし、「作者しか理解できない現代アート」や、「学術的価値だけは高いよくわからない化石」なんかを見て、したり顔で「ふむ」とか「なるほど」とか言う人が「インテリ」で賢い現代人なのです。昔は「インテリ」なんて悪口だったのですがね。

現代の博物館や美術館にはない、どこか地方の「秘宝館」のようなドキドキ感。人魚や河童のミイラも許されるあの空間。現代ではおざなりにされぎみなこの感覚、子供の頃に感じたあの感覚を、ワタクシは自分の子供にも経験させたいと常々考えていました。あの感覚は決して「無意味」ではない、と。自分にとってそれが実はヴンダーカンマーだったと気付いたのはごく最近なのですが。

父親が仕事に行っている間、子供はこっそり書斎に忍び込み、机の引き出しを開けます。そこから出てくる、何とも不思議で何とも珍奇な物たち。或いは神秘的で、或いはおどろおどろしい物たち。

そう、このヴンダーカンマーはワタクシの壮大なドッキリなのです。

ブログでは都度書き綴っているので、興味がある方はそちらを読んでいただくとして、では自分なりのヴンダーカンマーに対するアプローチとはどういったものか、と考えると、やはり「ハンドメイド」という答えに行き着くわけです。

 

 
  wunderkammer4  
 

Cuatro Gatosのヴンダーカンマーでは、展示物を出来る限りハンドメイドで製作していこうと思っています。もちろん購入したほうが価値があるものはそうしますし、ハンドメイドにも限界はあります。剥製なんかはヴンダーカンマーの代表的な展示物の1つですが、アレは無理です。作り方をサラッと調べてみたりもしましたが、動物の死骸の皮を剥いで鍋で煮込むとか、精神的にも嫁的にも無理です。そもそも剥製を部屋に飾りたいなどと微塵も思いません。特にほ乳類はダメです。そういう、自分本意のヴンダーカンマーでいいと思うのです。ええ、勝手な見解ですよ。

ここでは全盛期のヴンダーカンマーの展示分類に沿って紹介していきます。ナトゥラリア(Naturalia 自然の物)、ミラビリア(Mirabilia 珍奇な物)、アルテファクタ(Artificialia 人工の物)、スキエンティフィカ(Scientifica 科学の物)、アンティクィタス(Antiquity 古代の物)、エクソティカ(Exotica 外来の物)という6つの分類になりますが、ナトゥラリアとミラビリアで1つ、アンティクィタスとエクソティカで1つの括りとして、全部で4つの大分類にする、というのが全盛期のヴンダーカンマーの分類法です。

先述した「買った方が価値のある物」とは、まさにアンティクィタスやエクソティカがそうですね。一部のナトゥラリアもそうですし、こして考えてみると、ハンドメイドできる物というのも随分と限られてしまうのかもしれません。

分類法としては、現代と一線を画した変わった分け方だな、と思うかもしれませんが、これをもっと細分化、専門化して詳細に分類するとどうなるか。

そう、現代の博物館や美術館のような、面白みのない、ただ整然とした無味簡素なものになってしまうんですよ。ね。

 

参考文献:小宮正安 著「愉悦の蒐集 ヴンダーカンマーの謎」


HOME    Wunderkammer Top

inserted by FC2 system