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フィッツロイの天気管

(FitzRoy's Storm Glass Barometer)


 

それでは必要な物を揃えましょう。

まずはメインの結晶となる樟脳。余計な物が含まれていない、純粋な樟脳を選択しました。

と言いつつ、最も重視したのは価格だというのは否定しません。

 
 

 


 

 
 

硝酸カリウムと塩化アンモニウム。

こんなにたくさんの量は必要ないのですが、まあ、A型ですし、ええ。

近所の薬局に注文して購入。住所・氏名・用途なんかを記入させられます。

用途には無難に「食品の添加剤」と書いておきました。(実際、食品に使用されています)

「天気管製作の為」とか書いても首を傾げられるだけでしょうしね。

あとは溶媒となるアルコールですが、まあ無難に無水エタノールでいいでしょう。

 
 

 


 

 
 

適当な大きさの容器を2つ用意します。

これから2種類の溶液を作る為です。

 
 

 


 

 
 

硝酸カリウムと塩化アンモニウムをそれぞれ5gずつ量ります。

あ、このレシピは最終的に約200mlの溶液ができる配分になっています。

必要量に応じて重量を調整してください。

 
 

 


 

 
 

計量した硝酸カリウムと塩化アンモニウムを、約70mlの水(純水か精製水)に溶かします。

これを仮にA液としましょう。

 
 

 


 

 
 

続いて樟脳を約20g量ります。

写真は21gになってますが、1gくらいズレようがどうということはないです。

レシピ通りの料理しかできないようでは、ダンナは家に帰ってきませんよ。

 
 
 
 

計量した樟脳を約80mlのアルコールに溶かします。

マルイシの無水エタノールです。

いい加減、そろそろマルイシはワタクシにエタノール一年分を送るべきではないでしょうか。

でしょうか。

 
 

 


 

 
 

溶解中。

簡単に溶けるはずです。

これを仮にB液としましょう。

 
 
 
 

A液もB液も、無色透明になるまでしっかりと溶かしてやります。

 
 
 
 

完全に溶けたら、2つの液を混合します。

すると、一気に樟脳の結晶が晶析するはずです。

急激に結晶が晶析したため、結晶形がとても小さくなっています。

これではキレイな羽のような結晶を観測するのは難しいので、再結晶という作業を行います。

 
 

 


 

 
 

混合した液を湯煎にかけて溶かします。

最近大活躍の、ろうけつ染用恒温器です。

ちなみに沸騰させる必要はありません。というか沸騰させないでください。結晶が溶ければいいだけです。

温度を上げすぎるとアルコールがどんどん揮発して溶液が濃くなり、結晶が出過ぎてしまいます。また、揮発防止に密閉して加熱するのも危険です。内容物が膨張して、最悪破裂する可能性も。

 
 

 


 

 
 

ネジ口試験管という、ネジ蓋の付いた試験管です。

サイズも色々ありますので、好みで調達してください。

ちなみにワタクシは長さが16cmというのを購入。

 
 

 


 

 
 

ネジ蓋部分を確認してみると、密閉率は低そうでしたので、シールテープを巻いてシールします。

完成品が液漏れしたら台無しですからね。

シール塗料で完全にシールしてしまうのも良いと思いますが、この後少し溶液の調整をしますので、密閉シールするのはそれからがいいでしょう。

 
 

 


 

 
 

溶けています。

白濁していますが、しばらくすれば完全に透明になります。

 
 

 


 

 
 

湯煎は継続し、溶液を暖めながら試験管に封入します。

溶液が冷えると、すぐにまた白濁してきます。

 
 

 


 

 
 

この状態で、室温でゆっくり冷まします。

これが「再結晶」という作業で、急冷するよりも結晶がやや大きくなり、また形も安定します。

 
 

 


 

 
 

完全に冷めました。

キレイな結晶が出ていますね。

ここで結晶量を最終調整します。

結晶が多いと感じたら、アルコールを数滴追加、結晶が少ないと思ったら、水を数滴追加してください。

微妙なバランスですので、ほんの数滴で結晶量が劇的に変わります。くれぐれも入れすぎに注意して調整してください。

 
 

 


 

 
 

天気管本体は完成しましたので、台座を作っていきます。

もう単純に木工ですね。

市販の台座と、ギター製作で余ったマホガニーの端材です。

 
 

 


 

 
 

おもちゃ屋に勤める友人から「いらないからやる」と大量に在庫を押しつけられた、ろくろ倶楽部用の土です。

売れてねぇんだなぁ・・・。値札が付いていますが、一袋¥1890もします。そりゃ売れんわ。

というわけで、有効活用させてもらいましょう。

 
 

 


 

 
 

3cm角、深さ5mmほどの穴を掘りました。

カッターとか彫刻刀でサクサクいけます。

 
 

 


 

 
 

空き缶を探したのですが、今うちにある空き缶はこれだけでした。

よりによってツナ缶かよ・・・。

ま、なんでもいいんですが。

 
 

 


 

 
 

注ぎ口を作っておきます。

中に入っているのは、細かく刻んだ鉛です。

釣り用のいらない重りをニッパーで刻みました。

 
 

 


 

 
 

おもむろにこれを火にかけて溶かして・・・。

カセットコンロとかの火で簡単に溶けます。

ツナの香ばしい匂いが・・・。

 
 

 


 

 
 

溶けたら粘土の型に流し込みます。

陶芸用の土なら大丈夫ですが、油粘土とか紙粘土はやめましょう。

前者は溶かした鉛が弾ける可能性がありますし、後者は燃えます。

陶芸用土、テラコッタ粘土とかなら大丈夫でしょう。

これは本体に仕込む、転倒防止用の重りになります。

 
 

 


 

 
 

マホガニーは4cm角のサイコロ状に切断、センターに穴をあけます。

 
 

 


 

 
 

ピッタリです。

お、キレイな羽状の結晶が出ていますね。

明日は曇りか晴れというところでしょう。

 
 

 


 

 
 

試験管の蓋の径と試験管本体の径が違うので、上に被せて蓋を見えなくするカバー(?)も作りました。

 
 

 


 

 
 

台座をトリマーで適当にザグって、鍛造した鉛を内蔵します。

完成後見えなくなる部分は基本的には手抜きです。

そういう人なんです。

あ、鉛はエポキシ接着剤でしっかりと固定します。

 
 

 


 

 
 

台座とサイコロ合体。

滅多に登場しないクランプです。滅多に登場しない理由は、その存在を忘れていることが多々あるからです。

 
 

 


 

 
 

試験管の穴にもエポキシを充填しています。

で、カバーをタイトボンドで接着します。

 
 

 


 

 
 

乾いたら全体を#400くらいでならしておきます。

試験管本体は汚れや傷がつかないように、マスキングしておきましょう。

 
 

 


 

 
 

塗装はシェラックを使うことにしました。

オレンジシェラック、濃さは2ポンドカットです。

エタノールが無くなったので、今回初めてメタノールに溶かしてみました。

エタよりもメタのほうが塗膜が固くなるなんて都市伝説もありますが、本当でしょうかね。

「火力発電した電気と原子力発電した電気とでは、アンプを通した時に音質に差が出る」というレベルの話と同じような気がします。

 
 

 


 

 
 

おお、写真がないので巻きでいきます。

塗装が乾いたら、真鍮板で作ったタイトルプレートを取り付けます。

作り方はコチラ

娘が釘を打って取り付けてくれました。

 
 

 


 

 
 

完成です。

後の珊瑚が写り込んで、すこぶる邪魔ですね。

 
 

 


 

 
 

時間とともに結晶形も変化します。

見ていて飽きませんね。

ええ、ちょっと嘘を付きました。

 
 

 


 

 
 

真鍮プレートアップ。

Admiralは訳すと提督。つまり、フィッツロイ提督の天気管、という意味ですね。

なかなか作りごたえがあって、完成品も見栄えがするので、ぜひ自作してみてください。

完成品は、買うと高いですからね。

そして、機会があればぜひ黒バックで写真を撮り直したいと思います。

それではまた来週。

 

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