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真鍮エッチング


 

マスターしておけば何かと便利な金属エッチング。

銅板を腐食させての銅版画が一般的でしょうか。

今回は真鍮板を腐食させてタイトルプレートを作ります。

使用する真鍮板は、いつもの1mm厚のもの。

 
 


 
 

イラストレーター等でデザインした図面を出力するわけですが、ここがもっともノウハウの必要な部分になります。

まずは、完成した画像を左右反転。次に、黒い部分がレジストされて白い部分が腐食されるので、画像を白黒反転

で、印刷するわけですが、用紙は必ずインクジェット用のフォトマット紙。フジフィルムの「画彩」(マスカットの写真がパッケージ)を使う人が多いようです。フジ好きのワタクシは、カメラも紙もフジですよ。

で、この紙にレーザープリンターを使って印刷します。インクジェットではダメです。インクジェット用紙をレーザープリンターに用いるわけですから、プリンタが壊れても自己責任でお願いしますよ。

ちなみにトナーは濃いめがコツです。

 
 


 
 

印刷した面を下にして、真鍮板にレイアウトします。

位置定着の為に水で濡らしていますが、この段階では別に濡らさなくても良いです。

 
 


 
 

加熱したアイロンを押し当てて転写します。

温度は「中」くらいで、アイロンは動かさずに押しつけるだけがいいようです。

水で濡らしている場合は、その水分が乾いてしまうまでアイロンを押しつけます。

念のため、もう一度濡らす→アイロン加熱をしておきました。

 
 


 
 

おそらくはもう転写できているはずなので、改めて水でひたひたに濡らします。

しっかり染み込んだら、紙を剥がします。

 
 


 
 

おそらく、キレイには剥がれないと思います。

こんな感じで白く残る部分は、適時適量の水を含ませながら、指の腹なんかで擦って剥がします。

ただ、あまり強く擦るとトナーまで剥がしてしまうので、軽く擦る程度でいいです。

それで十分剥がれますし、黒い部分には紙が残っていたってかまいません。

逆に、白い部分は金属の光沢面が出るまでしっかりと剥がしておいてください。紙の繊維くらいは残っていても構いませんが。

 
 


 
 

裏面とサイド部分、不要部分をマスキングテープでマスキングします。

トナーが剥がれてしまった部分は油性マジックで塗ればOKです。

また、使用するレーザープリンターの特性によっては、黒ベタの部分が網掛けみたいになる場合もあります。

そういう部分もしっかりとマジックで塗りつぶしておくと、仕上がりがキレイです。

逆にわざと網掛け部分を残しておくと、場合によってはアンティークっぽい仕上がりになる時もあります。

 
 


 
 

今回使うエッチング液は、塩化第二鉄。一般的に銅版画に使われる液で、画材店なんかで購入できます。

今回は原液100%ですが、腐食する金属によっては水で希釈しなければならないので、商品表示に従ってください。

エッチング液は当然金属を侵しますので、容器は金属以外の物を。ガラスとか、プラスチック製で。

で、だいたい40℃くらいで湯煎します。

 
 


 
 

ちなみにこの恒温器、本来は「ろうけつ染」のろうを溶かすポットらしいのですが、最近はもっぱら湯煎用ポットとして使い倒しています。

元々はニカワを溶かそうと思って購入したんですけれどね。

温度調節はできないので、コンセントを抜いたり刺したりで調整して、40〜50℃で1時間半ほど腐食させました。

途中、液を適時撹拌してください。

 
 


 
 

エッチング液から引き上げ、洗浄した状態です。

トナーはラッカー用のシンナーなんかで落とせます。

 
 


 
 

耐水ペーパーで表面を磨きます。

#100から順に#240、#400、#600、#800、#1000、#1200と、ワタクシにしては珍しく丁寧に磨きました。

 
 


 
 

アウトラインに沿って面取りして。

 
 


 
  真鍮は金属の中では比較的柔らかい素材ですので、鉄工用のヤスリで簡単に整形できます。  
 


 
 

こんな感じ。

形になってきました。

 
 


 
 

ペーパーの削りカスが文字に入り込んでいるので、キレイに掃除しておきます。

古いハブラシなんかが便利です。

 
 


 
 

丁寧な人はここで更に金属用のプライマーなんかを塗布したりするのですが、「多分イケルイケル」ってことで、プライマーなしでいきなり文字にスミ入れしています。

黒の半光沢ラッカー塗料ですが、なぜ半光沢かというと、手元にそれしかなかったからです。

ええ。

スミ入れのコツは、シャバシャバに薄めた塗料をミゾに流し込むような感覚です。

 
 


 
 

乾いたらシンナーを含んだ綿棒なんかでハミ出た部分をキレイに拭き取ります。

色が薄い場合は、数回繰り返してスミ入れすればいいでしょう。

 
 


 
 

コンパウンドで磨いて完成です。

ところどころに虫食いのような腐食ができて、味があって良いですね。

「味がある」とは便利な言葉ですね。

プレートはこれで完成ですが、オマケで続きを。

 
 


 
 

今回はエッシャーのフィギュア用のタイトルプレートを製作しました。

三角形に切ったレッドオークに、真鍮の釘で取り付けます。

 
 


 
 

自家製のディスプレイボックスに、燦然と輝く真鍮のタイトルプレート。

金属部品があるだけで、ただの木箱もぐっと引き締まりますね。

 
 


 
 

今回使用した「塩化第二鉄」そのものは特に規制されていませんが、使用済の液は銅分が溶け込んでいる「銅廃液」になります。

これは廃棄方法が厳しく定められているので、そのまま流しなんかに捨ててはいけません。絶対にいけません。有名な足尾銅山の鉱毒事件がコレですよ。

廃液業者に引き渡すのが手っ取り早いですが、自分で処理するなら消石灰で中和して不燃物として廃棄する方法もあります。

エッチングはマスターすれば非常に用途が広い技術ですが、廃液の処理方法まで覚えて初めて「マスター」したと言えると思います。

少量だからと適当に廃棄するのだけはやめましょう。いい大人なんですから。

 


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